バイオリン弦 選ぶ基準は? ガット編

皆様こんにちは。


前回は弦の種類や特徴をお伝えしましたが、今回は選ぶ基準といたしまして


①よく知られている弦のブランドと一般的に言われている特徴

②自分の楽器(20年ほど前に作られた当時若手作家の新作イタリアンで、明るくて輝かしく、やや硬質な音色が特徴の楽器です)との相性から、実際に使った弦の感想

③自分の楽器ではなく、知人に弾かせてもらったり、実際に演奏を聴いた感想など


この3つの観点を交えて弦ごとにお伝えいたしますので、参考にしていただけたらと思います。まずはガット弦からです。


① 老舗の弦メーカーであるピラストロ社のオリーブ、オイドクサ、コルダなどが有名。

オリーブ : ガットの中でも最も音量やパワーがあり、音の立ち上がりも早い。

オイドクサ : オリーブよりも柔らかくてナチュラルな楽器本体の音色を引き出す。

コルダ  :  バロック音楽演奏用で、チューニングも低く合わせる必要がある。


② オリーブは特にG線が倍音豊かに響き、全体的に音の硬さが随分とやわらいだ。オイドクサはオリーブに比べて少しおとなしくなったが、音色はさらに柔らかくなった。そして新作楽器にも関わらず、ある程度深みのある音色になった。温度変化や手汗、松脂の掃除に気を付けるなどしっかり管理できるのであれば、アマチュアの方ならA,D,G線は1年くらいは余裕で使えると思う。


③ コルダは直接自分の楽器では使ったことはないが、バロックバイオリンに低いチューニングで使用されてるのを弾かせてもらったり、防音室やホールの間近で演奏を聴いた感じでは、非常にやわらかで幻想的な音色だった。シンセ弦の響きに馴染んでるせいか音量は小さく感じた。教会やフローリングといったよく響く場所に向いていると思う。


ご自分の楽器が硬い音色だったりパワフルな音色なのであれば、キツイ部分を緩和してくれる可能性が高いのでオススメです。

特にオイドクサはしっとりと柔らかい音色を求める人向きですね。新作楽器よりも50年~100年以上の古い楽器の方が相性はさらによく、渋さと柔らかさが溶け合ったまろやかな音色になると言われています。

前に使った時よりも自分の技術力が上がり、継続的な楽器の弾き込みによって硬い音が取れてきたので、今、ガット弦を使うと感じはまた変わるだろうと思っています。

ボクが次に使う時は、ガットの柔らかさを生かした音色を作り込み、ヴィヴァルディやモーツァルトなんかを弾きたいですね。


次回はシンセ編です。


田村晃司



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