自分好みの松脂を選ぼう!

松脂とは、松の樹液に柔軟剤や鉱物などを混ぜ合わせて固めたもの。


バイオリンをはじめる時、松脂の違いはある程度の経験者が弾いてみないと全然わからないため、先生や楽器店のおススメを買うことがほとんどです。そして松脂は割れたり溶けたりしない限りは10年くらい余裕で使えちゃうので自ら選ぶことが中々ありません。

松脂には大切な役割があります。単純に音を出すためのもので、松脂が塗られていないまっさらの弓では、バイオリンは全く音が出ません。松脂は弓の毛に付着してしっかりと弦をとらえて振動させるのですから、弾きだした時の発音、音色作りを担っているのです。

そんな松脂の世界を、少々マニアックですが簡単にご紹介したいと思います。


☆種類

大きく分けて、ライトタイプダークタイプの二種類。松脂の色やメーカーの説明などでタイプを判断されますが、最近はライトやダークの中間のような色目があり、実際に使わないと判断できません。バイオリン用、チェロ用など楽器別にも分かれてますが、楽器が大きくなるほどに松脂は柔らかく粘度が増します。


●ライトタイプ

あめ玉のような黄色やオレンジなどの主に半透明な色が多く、硬い松脂。粒子が細かくて、さらっとした弾き心地。夏や冬場のストーブ付近の高温な室内でも溶けにくい反面、軽い落下などの衝撃でも意外と砕ける。新品の時、毛替えしたての弓には塗りにくい。

極端なピアノやフォルテを意識せずに弾いた時に発音が鈍く感じる楽器や、暗い音色の楽器に向いており、鈍さを軽減してくれる。


●ダークタイプ

黒色や赤茶色などの濃い色で、柔らかい松脂。粒子が粗くて、しっとりとした弾き心地。軽い落下などの衝撃では砕けにくいが、夏や冬場のストーブ付近の高温な室内で溶けやすい。新品の時、毛替えしたての弓にも塗りやすい。

明るすぎたり軽い音になりがちな楽器に向いており、楽器をしっかり鳴らすのを助けてくれる。


 松脂は、弓、そして弓の毛の種類(モンゴル産やカナダ産など)、弦の種類やバイオリン本体との組み合わせによってその効果を高めることができ、より豊かな音色を得られます。


 そして弦と同じく世界中に様々なメーカーがあり、松脂に金や銀などの鉱物を混ぜたものや松脂アレルギーの方のカーボンで作られたもの、松脂を入れるケースが木製のオシャレなものなど多種多様です。値段も数百円から約8千円くらいのものまでありますが、高ければよいわけではなく弓や楽器との相性や自分の好みで選びます。


ですが、激安の楽器を買うと付属するようなメーカー不明のものはおススメではありません。タイプに関係なく粒子が粗すぎて弦の上で大きなダスト(松脂の粉)になりやすく、かなりの頻度でシーとかジジッと雑音を発します。

ライトやダークに関係なく、自分が感じた値段の差は、弾き出しの音の輪郭がはっきりして手元の雑音が少ない、ハーモニクスがよりクリアに鳴るなどです。


 松脂にも定番があり、ライトタイプではベルナルデル。クセのないさらっとした松脂で、高温多湿の日本でも溶けにくく人気の松脂。

ダークタイプではミランの黒ネコ。わりとしっかり付着するので初心者でも塗りやすく、こちらもクセがなく、確実に弦をとらえるような感じ。

その他に人気なメーカーは、思いつく限り、アンドレア、メロウ(最近よく見かける)、べスポーク(オーストラリア産の昨年のヒット商品)、ピラストロ(それぞれの松脂に同社の弦の名がついており、一緒に使うことを推奨している)、アルシェ(日本の人気弓メーカー)、ギヨーム、ボガード&クレメンテなどなど。


 今までに使用した数種類の松脂の経験からの自分にとってのよい松脂の感覚としましては、ピアノやフォルテでも弾き始めから常に100%音になっている感覚です。ストレスなく音になってくれると相性がいいと判断します。


次回は写真にある、今まで使ってきた自分の松脂、基本的な塗り方などをご紹介いたします。

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